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ヨコハマ買い出し紀行 (14)
ヨコハマ買い出し紀行 (14) (アフタヌーンKC (1176)) | 商品情報(書籍)
ずっと読んでた愛読書。とうとう、最終回になっちゃった。

 未来。地球温暖化で、日本列島は小さな島の集まりになった。人類が緩やかに衰退してゆく<黄昏の時代>のなか、人間とまったく変わらない<ロボットの人>アルファは、岬の喫茶店カフェアルファを開きながら、オーナーを待つ。そして、自身の周りを探索してゆく、人、物、心、アルファは人間以上に人間的だ。

 このロボットの人の視点は、生命がほとんど無限の視点、善悪の彼岸にある。そして、ストーリーは『ブレードランナー』の対極にあるといっていいだろう。
 科学と自然を対極させる必要はない。文明と自然を対極させる必要もない。その構造を正午の視点からみると、それは全て広義の自然でしかないのだから。いやおうなしに実存することを、われわれは日常的に否定したり悩んだりはしない。
 (特に未来の)構造が見えないことは、確かに痛みを伴う未来かもしれない、でも、われわれには、芳情たる時間とともに、それを感じる現感覚をもっている。それが、我性という生命のあり方そのものなのではないか。
 そう、アンドロイドを作ることも、未来にあっては、きっと子供ができるのとそう変わりはしない、それが日常的な技術になれば、われわれはアンドロイドを普通に感じ受け取るだけだろう。

 この作品にはもっとつづいてほしかった。感慨ある一品、読んでみてほしい。
by mifjpn | 2008-02-18 20:19 |
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