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[本]レヴィナスと愛の現象学
レヴィナスと愛の現象学 | 商品情報(書籍)
なかなか、難しいんですが、なんとかよめます。解説は大変良いです。
思いに残った一説を
・・・
 「神の召還に応じること」、「神を恐れること」、「神のみもとへ向かうこと」、それは人間に表象する力の限界を、認識し把持する能力の不足を教える。しかし、それは人間におのれの不能を思い知らせ、無力感のうちに沈ませるものではない。そうではなくて、その受動性こそが「意味」を求める人間の主体性を基礎づけるのである。私だけが担うことができ、私以外の誰も私に代わって引き受けることのできないような責務を担うという仕方で、私の唯一無二性、私の自己同一性は基礎付けられる。
 私の主体性は、「私の私であることの自明性」でも、「私が存在することを十全的かつ明証的に経験すること」でもなく、「他の人間に対する、代替不能の責務の引き受け」によって基礎付けられる。そのときにはじめて、「死よりも正義が行われないことを恐れ、不正義を犯すよりは不正義の犠牲者になることを選び、存在を確実にするものよりも存在を正当となものとするものを選ぶ人間の可能性」が、私たちの前に開けるのである。
by mifjpn | 2008-08-06 19:18 |
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